4月28日「確かな豊かさ」を育てる牡牛座新月

2025年4月28日、牡牛座で新月を迎えます。

牡牛座は、豊かさや安心、五感で味わう喜びを象徴する星座です。自然とともに呼吸を合わせ、確かなものを積み重ねていく力。“ここにある”ことを実感できる世界を、大切に育てようとします。

新月は、新しい種をまくタイミング。この牡牛座新月は、自分の価値観に根ざした「これからの豊かさ」を育て始めるための、大事な一歩となるでしょう。

現状維持を揺さぶる新月

ただし、今回の新月は一筋縄ではいきません。新月に対して、火星と冥王星が強烈な角度を取るTスクエアが形成されています。

これは、不動宮（牡牛座・獅子座・水瓶座）の間で起きる、「変わりたくない vs 変わらざるを得ない」という強烈な葛藤を意味します。

守ろうとするのは、これまで積み上げてきた実績や、築き上げてきた自分自身の基盤です。長い時間をかけて形成した価値観やスタイル、「これが私だ」と信じてきたアイデンティティ。

それを簡単に手放すことはできないし、変えることには大きな抵抗があるのも当然です。なぜなら、それらは単なる思い込みではなく、ここまでの人生で現実に積み重ねてきた成果だからです。

しかし、いま私たちに突きつけられているのは、「これまで守ってきたものを、この先も守り続けるべきか」「時代や自分自身の変化に合わせて、柔軟に進化するべきか」という問いです。

今回の新月のサビアンシンボルは、「雪がまだ降っていない時期のソリ」。今はまだ必要ないかもしれない。けれど、遠くない未来に必ず訪れるであろう「変化」のために、私たちは今、静かに、しかし確実に、備えなければなりません。

焦って結果を求めるのではなく、「未来の自分」を信じて、今できる準備をしておく。それは一見地味で、誰にも気づかれないかもしれない。けれど、その積み重ねが、これからの時代を生き抜く力になるのです。

さらに今回のチャートルーラー（支配星）は、火星。火星は、新月に対してスクエアをかけながら、私たちの内側に強烈なやる気や情熱を湧き上がらせています。

「今すぐ動きたい！」「一刻も早く結果を出したい！」そんな衝動に駆られる人も少なくないでしょう。けれどここで大切なのは、このエネルギーを焦りのまま爆発させるのではなく、「未来のための仕込み」に使うこと。

衝動を、準備に変える。情熱を、未来への投資に変える。今は、無理に走り出す必要はありません。心に火を灯したまま、着実に、未来への布石を打つこと。それが、この新月を最大限に生かす鍵になります。

牡牛座の支配星である金星は、魚座の12ハウスにあり、土星とコンジャンクションしています。この配置が伝えているのは、「本当に大切なものを、時間をかけてでも育てる覚悟はあるか？」──そんな問いかけです。

すぐに結果を求めることはできません。豊かさも、愛も、信頼も、ただ願うだけで手に入るものではなく、長い時間をかけ、何度も試されながら、少しずつ積み重ねていくもの。

それは、目に見える形で確かな手応えを積み上げていく、牡牛座的な「育てる」感覚。小さな努力を毎日繰り返し、気づけば確かにそこに、自分の豊かさが根を張っている──そんな、現実に根ざした育み方です。

目に見える成果がすぐに現れなくても、心が揺れたとしても、それでも「育てたい」と願うものを、信じ続けられるか。いまは、軽やかさよりも、覚悟と根気のほうが求められる時期です。

そしてもうひとつ。金星は天王星とセクスタイルを形成しています。これは、自らの意志で価値観を広げ、新しい豊かさを取りにいくチャンスであることも示しています。

これまで「自分には関係ない」と思っていたもの、興味すら持たなかった世界。そこにこそ、新しい自分を育てるためのヒントが隠れているかもしれません。

変化を恐れずに、新しい視点、新しい繋がり、新しい選択肢に心を開くこと。それは、いま育てようとしている「本当に大事なもの」に、思いもよらない豊かさをもたらしてくれるはずです。焦らず、でも閉じこもらずに。未来に向かって、静かに開いていきましょう。

・自分にとって本当に大切な価値観をリストアップする

・もう必要ない執着やこだわりを手放す覚悟を持つ

・体と心のメンテナンスを怠らない（地に足をつける）

・インスピレーションや偶然を大切にする（柔軟さを持つ）

焦らず、着実に。でも、未来への情熱を手放さずに。

今回の牡牛座新月は、「本当に必要な豊かさ」を築き直すタイミングです。焦って手に入れるのではなく、静かに、しかし確実に、未来を育てていくこと。

芽吹きの季節に、静かに力を蓄える。未来へ向かって、今できることを一つずつ積み重ねていこう。

この新月の静かな始まりが、やがて大きな変化を乗り越える力となるはずです。